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IFPH⑨

 IFPHの紹介が随分と手間取っています。いろいろ考えたことがあるけど、それは一応の紹介を終えてからということで、今日は4日目(8日)に参加したセッションについて。一つは、The Roles of Public Historians in the Maintenance of Civil Society というもの、もう一つは、シンプルなタイトルで Commemorations。最初のものの発表者は、J.A.M.Florez(メキシコの El Colegio de Michacan), Aleisa Fishman(アメリカのホロコースト記念博物館), Alix Green(エセックス大学), Tmmy Gordon(ノースカロライナ州立大学)の4人。
フロレスの発表は、日本に来てもらったベルベル・ビーヴェルナージュの和解と記憶をめぐる議論と同じテーマ。コロンビアを素材に、内戦終結のための国民投票を契機として生じた、和解に伴う過去の記憶の取り扱い方がテーマ。Expression of hatred を歴史の表象から分離することができるかという問題です。
フィッシュマンが扱ったのは、第二次大戦中にホロコーストがアメリカの新聞でどう報道されていたのかという例。地方新聞を素材として、そうしたものを citizen historians が発掘する作業を citizen history であると論じました。
 グリーンとゴードンはともに、ネット空間でのブログやツイッターを通しての歴史の試みについて。ここでもゴードンはそうした試みを citizen history という言葉で呼んでいました。この言葉は、歴史認識の一つのあり方を指す言葉として、一般的に用いられているという印象を受けました。
 つづいて参加したセッションの報告者は一人キャンセルがあって二人、Steven Franklin (ロンドン大学ロイヤルホロウェイ校)と Rosanna Farbol (オルフス大学)、二人とも若く学位取得段階。
 フランクリンの発表は、マグナ・カルタの扱われ方の流れをたどったもの。過去の事実の認識のされ方の変遷を、とりわけ大衆的空間において明らかにする作業はかなり難しい作業ですが、おそらくそうしたことが今後は「パブリックヒストリー」の一つとして論じられるであろうということを示すものでした。
 ファーブルの発表は、冷戦終了後にデンマークで作られるようになった冷戦期についての資料を展示した博物館についての報告。それを専門とする博物館がかなりの数が作られているということにも驚かされ、そうした意味でも面白いものでした。起きえたかもしれない第三次世界大戦に対する counter factual memory として、そうした記憶化が行われているというアイディアがあり、その点も評価されてよい発表でした。
 以上少し羅列的になっていますが、明日は第五日目について内容のを紹介し、明後日以降、最後に総括的に今回全体として感じたことを記していきます。

by pastandhistories | 2017-06-15 12:27 | Trackback | Comments(0)
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