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プロフェショナリズム

 スポーツの世界に関していつも思うことは、徹底したプロフェショナリズム。激しい競争での選抜が徹底しているけど、それもまた一時的な評価を受けるにすぎないということです。よく昔の選手と今の選手のどちらが優れているかという議論があるけど、記録を基準とすればこのことはほとんど意味がない。現在の選手の方が、過去の選手に比してすぐれているのは、データ的にはあまりに明らかなことだからです。そうしたこともあって、いかなる名選手であってもそれが評価されるのは、たとえば当時に相手に対してどのような対戦上のデータがあるのかという点においてだけです。
 研究者の世界もまた同じようなプロフェショナリズムに基づいているところがあります。日本人研究者によるものもそうですが海外の研究者の論文を読むと、ジャンルによって多少の違いがあるといっても、20年以上前の論文が参考文献にあげられたり、引用される例は驚くほど少ない。おそらくそういう指導を受けているからだと思いますが、あくまでの現在の研究者同士の対戦(論争)だけが意味あるものとされています。
 プロフェッショナルが求められていることの一つは、同じジャンルで競合する対戦者に勝利して観客の喝采を得ることです。スポーツや碁や将棋、チェスの場合はそうなります。では社会科学や人文学の研究者の場合はどうなるのか。多くの研究者は自分をプロフェッショナルと考るけど、自分の意味をそうした限定的なものとは考えていない。自らの残すものが、もう少し長期的な継続性を持つものと考えている人が圧倒的でしょう。しかし、そうしたことがありうるのは、競争が少ないからかもしれません。層の厚い研究領域では次から次へと新しい成果が出されていて、特定の業績が継続的に評価されることは少ない。プロフェショナリズムの原則に照らせばそのことは当然のことなのかもしれません。歴史理論の最近の動向を追っていると、そんな気がします。
 時々ツイッターの動きなどを検索することがあるのですが、研究者が忘れられるスピードの早さには、残念に思うところがあります。

by pastandhistories | 2017-05-08 22:55 | Trackback | Comments(0)
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