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来月から

 今月は二度しか記事を書かなかったのに、月間アクセスが4桁を超えました。1記事あたり500ということではなくて、多分新しい記事がなくてもアクセスをしてくれる人があるからだろと思います。それにしても多いですね。昨日も27日のセミナーが終わったということで、それについてどのような紹介記事があるのかということなのでしょう。随分とアクセスがありました。
 といっても何度か書いてきましたが、アクセス数が増えるとそれが重荷になって、記事が書けない。ただ27日の件については自画自賛ですが、やって本当によかったとは思っています。これまで研究会の継続を可能にしてきたプロジェクトはすでに終了していて、最初はまったく計画のなかったことでしたが、何人かの人から電話での提案があって、それを受けるかたちで計画を立てました。会の内容については、自分は司会の際には基本的には時間経過を伝えない主義なので、それぞれの報告者は20分ほど超過、その分用意してきた内容が十分に会場に伝わったのではと思います。なんといっても安丸先生も参加してくれて、その点でもとてもよい議論ができました。会の冒頭にも言いましたが、60年間かけて議論してきたことが3~4時間で解決できるわけがない。しかし、参加した人には考える契機を提示できたのではと思います。
 当然のように会の後は懇親会。疲れたので大学の近くのホテルに泊まって(かえって疲れました)、昨日は夜まで3コマの授業。今日はやっと夏休みということだったのですが、同じく休みに入って遊びに来ていた孫の風邪が感染ってほぼ一日寝ていました。もっともはやり風邪だと思うので大丈夫でしょう。明日は部屋の掃除をし、メールの返事を書いたりしながら夏休みの予定をたてる予定です。基本は「プロジェクト後始末」で書いた出版の準備ですが、同時にいくつか気の向くような仕事ができたらと思います。
 メモもだいぶ溜まってきたので、このブログでもきちんとして記事を書きたいという気持ちもあるのですが、それはどうなるかわかりません。
by pastandhistories | 2014-07-29 21:42 | Trackback | Comments(0)

ナショナリズムとレイシズム

 7月に入れば昔ならそろそろ夏休みという感じでしたが、いまの大学は8月に入っても授業があるのでまとまった仕事はしにくい。その合間をみて、今は以前書いたプロジェクトに関する新しい出版計画の準備。具体的には本人からの承諾、版権の確認の取れた原稿(すべての原稿についてその作業が終わりました。海外の研究者からの好意的な対応があって、スムーズにこの作業は終えることができました)の試訳をしています。原稿を執筆してくれる人と打ち合わせを兼ねた研究会のようなものができればと思うので、その資料としてです。翻訳作業をしていても苦にならない、いい原稿ばかりです。今日もその作業をしていました。
 ということで長い文章は書けないので、アメリカ史にちなむ小さな文章を書きます。それはレイシズムとナショナリズムの違いです。この話はアメリカ社会(の歴史)を例にすると、学生にもわかりやすい所があります。アメリカのメジャーリーグの試合を見ているとチームによっては、試合前、さらには試合中に国歌、もしくは愛国歌の合唱が行われる。しかし試合には多くの有色人種が参加してる(最近では日本人などアジアからも)。つまりナショナリズムが強要されても、レイシズムへの合意化は現在では否定されているということです。
 もちろんアメリカも奴隷差別を代表に、あるいは日本人も対象となった移民規制のように、レイシズムは歴史的には強固に存在していた。メジャーリーグベースボールも(その他のプロスポーツも)多くの人種を排除するかたちである時期までは行われていた。しかし、現在のアメリカ社会ではレイシズムは厳しく批判されている。つまりアメリカ社会を見れば、レイシズムとナショナリズムは厳然と区別されるものであって、ヘイトスピーチのようなレイシズムとナショナリズムが一体化している日本のナショナリズムはまったく頓珍漢な、時代錯誤的なものであって、あえて言えば思考の基準をナチスの人種主義のレベルにまで、引き戻したものであるということです。
 自明な話ですね。
by pastandhistories | 2014-07-05 16:48 | Trackback | Comments(0)

イギリス史とアメリカ史

 カウンターが壊れてしまったのかと思うほど、アクセスが急増しています。誰かがどこかで紹介してくれたのかもしれません。もっとも今は新しい本の編集にかなり時間を取られ始めていて、十分な内容のことを書ける時間はあまりありません。もし関心があるのなら、以前時間がある時に書いたものにさかのぼってもらえれば、このブログのコンセプトはわかります。
 ということなのですが、イギリス史とアメリカ史に関して時々考えることを少し。ある時期からイギリス史研究が過剰と言えるまでに日本で盛んであったのは何故かというと、大学のポストの配置に左右されている部分もあります。しかし、学問的な意味というかたちで議論すれば、それはおそらく近代以降の工業化のモデルであったということになります。戦後はこれに議会制度や福祉国家のモデルということが加わるかもしれません。しかし、意外と忘れがちなことは、近代以降の日本にとって、イギリスはなによりも帝国(主義)のモデルであったということです。歴史研究の批判性というアリバイを作りやすいのでつい忘れがちですが、日本のイギリスへの関心が、近代以降の帝国主義という問題と重なり合っていたということは本当はかなり重要なことです。近代のモデルではなく、むしろ帝国主義・覇権国家のモデル。日本が国家全体として措定していたのはそうしたことです。批判的に考えるなら、その影でイギリス史研究は「過剰に」発展したという問題がありました。
 そう考えると現在の歴史研究で、相変わらずアメリカ史研究が看過されているのは不思議なことです。歴史研究者の鈍感さを反映していると言ってよいかもしれません。というのは19世紀の覇権国家がイギリスであったように、20世紀の(そして21世紀においてもなお)覇権国家は言うまでもなくアメリカであって、そして第二次大戦以降現在にいたるまで日本が国家全体としてモデルとしているのは、イギリスではなくアメリカのほうだからです(政治改革を称した保守・革新という政治構造の解体)。グローバリズムと喧伝される問題も、もちろん覇権国家としてのアメリカを軸にしたものです(自衛隊の海外派兵)。それをさらなるモデルとして社会形成すべきだというのが、現在の日本における課題であるとされています。
 その意味ではアメリカ社会がとりわけ覇権国家になる過程を中心に検討していくことは、ある時期までイギリス史が重要なこととされた以上に、現在では重要ではと思うことがあります。有名なイギリスの歴史家が(追認して)述べたように、「あらゆる歴史は現代史」なのですから。
by pastandhistories | 2014-07-03 07:17 | Trackback | Comments(0)

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