歴史についてこれまで考えてきたことを書いています


by pastandhistories

プロフィールを見る
画像一覧

<   2015年 12月 ( 2 )   > この月の画像一覧

ディスコースとイディオム

 1月16日と3月21日について告知した記事以来です。この記事には1日で630ものアクセスがありました。誰かがツイッターか何かに貼ったためだと思いますが、この場を借りて感謝します。そのうち1月16日については詳細は、[日時:1月16日(土) 午後1時半~午後3時、場所:東洋大学白山校舎6号館6309教室]で、内容的には「歴史に対する考え方」みたいなものを中心にするつもりです。なおこの後、16時から18時ということで、東洋大学白山校舎二号館16階スカイホールというところで所属学科主催で懇親会をしてくれるようです。最終講義はもちろんタダですが、こちらは参加費が八千円(記念品代等込み)とのことで、準備のために事前申し込みが、 メールアドレス  toyo.univ.seiyoushi@gmail.com もしくは FAX 03-3945-7380 までに1月8日締め切りで、必要だとのことです。基本的には学科の主催で、西洋史で担当した卒業生以外には通知をしておらず、それ以外には年賀状のやり取りのある人はそれに添え書きでもして、と考えていたのですが欠礼ということになりましたので、ここにデータを記しておきます。
 ということなのですが、今年の授業は非常勤を含めて昨日で終わり、いろいろの原稿の片づけということで、さっそく11月のチャーティスト運動についての講演のまとめの下書きをほぼ片付けました。講演用のメモがあったので、それをもとに一気に書きました。研究史の全体を俯瞰したので、問題は多岐にわたっていますが、結論的に書いたことの一つは、現在話題になっている立憲主義と民主主義の問題。これに関しては、Gurney (2014)の議論をまとめにもってきました。この論文は、democratic discourse と constitutional idiom からチャーティスト運動理解を整理したもの。タイトルが示しているように、言語論的な議論を踏まえたものです。しかし、内容的には後者に力点をおいたギャレス・ステッドマン・ジョーンズ、マイルズ・テイラー、ジェームズ・ヴァーノンらを批判し、前者の視点からチャーティスト運動を捉えています。
 Gurneyの議論は,当時はネガティヴな意味内容を持っていた、とりわけ支配層は嫌悪していたデモクラシーという言葉をチャーティストがもちいた、かつそれは労働者世界の ritual や symbolism と結びつくかたちで、かつまた自らの組織のプラクティスとしてももちいらていたということの意味を論じてています。つまりチャーティスト運動をデモクラシーというディスコースに媒体とした人々の結合のなかから捉えることをとおして、その表面的イデオロギーが議会改革であったことを根拠にconstitutionalism という枠組みから捉えることを批判するというのが、gurney の論旨です。実はこの後19世紀後半からデモクラシーという言葉がどのようなものとして機能(さらには変容)していくのか、そして20世紀にはそれがどうであったのか、という大変に重要な問題があるわけで、その点を踏まえた(Gurney もまたそのことを議論しています)、きわめてアクチュアルな問題意識に支えられた議論です。
 もちろんギャレスの議論は、ある意味ではそれ以上にアクチュアルな問題意識に支えられた議論であったと自分は考えています。こうした問題は、なぜ現在立憲主義(民主主義という言葉が中心であった60年安保とは異なって)という言葉が現在もち出されているのかという問題と深くかかわるわけで、興味深いテーマです。 
by pastandhistories | 2015-12-25 06:55 | Trackback | Comments(0)

1月16日、3月21日

 「貧乏暇なし」というより、「不勉強暇なし」という感じ。それでもやっと本は読めるような状態になりつつありますが、この二日は私用が入り完全につぶれました。もっともこの間いくつかのことが進行。
 その一つは、最終講義の日程が固まったこと。1月16日の午後になりました。センター入試の日ですが、別に他意はなく、もともと今年は土曜日が授業日だったからです。今日アレンジをしている人にタイトルを聞かれ、「講義だから講義題目(歴史の諸問題)以外には別にない」と答えたのですが、シラバスを見たら、「ひとりの人間として歴史を考える」という講義を行う日になっていました。そんな内容になるかもしれません。
 もう一つは今年度の招聘セミナーの最後の招聘者と日程が本人からの受諾メールがあってほぼ固まったこと。来日を引き受けてくれたのはマンチェスター大学の Jerome de Groot, 日時は3月21日(月)午後となります。ベルベル・ビーヴェルナージュ同様若い研究者。といっても実証的な著作と共に、Consuming History や The Historical Novels といった著作を出していて、様々な商業的(メディア)空間にある歴史をめぐる問題や、文学と歴史の関係を論じている将来を期待されている研究者です。参加して損はない会になると思います。今後まだ若干の変更があるかもしれませんが、比較的長く日本に滞在してくれるようなので、関心のある人は連絡してもらえれば別の会をアレンジすることができるかもしれません。
by pastandhistories | 2015-12-09 21:49 | Trackback | Comments(0)

カテゴリ

全体
未分類

以前の記事

2017年 12月
2017年 11月
2017年 10月
2017年 09月
2017年 08月
2017年 07月
2017年 06月
2017年 05月
2017年 04月
2017年 03月
2017年 02月
2017年 01月
2016年 12月
2016年 11月
2016年 10月
2016年 09月
2016年 08月
2016年 07月
2016年 06月
2016年 05月
2016年 04月
2016年 03月
2016年 02月
2016年 01月
2015年 12月
2015年 11月
2015年 10月
2015年 09月
2015年 08月
2015年 07月
2015年 06月
2015年 04月
2015年 03月
2015年 02月
2015年 01月
2014年 12月
2014年 11月
2014年 09月
2014年 08月
2014年 07月
2014年 06月
2014年 05月
2014年 04月
2014年 03月
2014年 02月
2014年 01月
2013年 12月
2013年 11月
2013年 10月
2013年 09月
2013年 08月
2013年 07月
2013年 06月
2013年 05月
2013年 04月
2013年 03月
2013年 02月
2013年 01月
2012年 12月
2012年 11月
2012年 10月
2012年 09月
2012年 08月
2012年 07月
2012年 06月
2012年 05月
2012年 04月
2012年 03月
2012年 02月
2012年 01月
2011年 12月
2011年 11月
2011年 10月
2011年 09月
2011年 08月
2011年 07月
2011年 06月
2011年 05月
2011年 04月
2011年 03月
2011年 02月
2011年 01月
2010年 12月
2010年 11月
2010年 10月
2010年 09月
2010年 08月
2010年 07月
2010年 01月

フォロー中のブログ

最新のコメント

先生は、「「民主主義」擁..
by 伊豆川 at 19:57
先生は、「歴史が科学であ..
by 伊豆川 at 17:18
『開かれた歴史へ 脱構築..
by 伊豆川 at 13:28
3月18日の会に参加させ..
by 伊豆川 at 08:33
セミナーで配布・訳読され..
by 伊豆川 at 14:44
先生の議論には、大筋で同..
by 伊豆川 at 17:10
私も今回のセミナーに参加..
by 伊豆川 at 18:55
先生が制度化された「真実..
by 伊豆川 at 00:29
先日、ヘイドン・ホワイト..
by 伊豆川 at 20:53
人間に関心や理解を促す語..
by 伊豆川 at 22:33

メモ帳

最新のトラックバック

「変化する可能性」
from 右近の日々是好日。
プラグマティズム
from 哲学はなぜ間違うのか?

ライフログ

検索

タグ

その他のジャンル

ブログパーツ

最新の記事

目次②
at 2017-12-14 20:03
目次①
at 2017-12-05 23:40
エピソード
at 2017-11-12 20:09
短期主義への批判
at 2017-11-05 21:08
1月13日
at 2017-11-02 16:57

ファン

記事ランキング

ブログジャンル

歴史
哲学・思想

画像一覧