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ディスコースとイディオム

 1月16日と3月21日について告知した記事以来です。この記事には1日で630ものアクセスがありました。誰かがツイッターか何かに貼ったためだと思いますが、この場を借りて感謝します。そのうち1月16日については詳細は、[日時:1月16日(土) 午後1時半~午後3時、場所:東洋大学白山校舎6号館6309教室]で、内容的には「歴史に対する考え方」みたいなものを中心にするつもりです。なおこの後、16時から18時ということで、東洋大学白山校舎二号館16階スカイホールというところで所属学科主催で懇親会をしてくれるようです。最終講義はもちろんタダですが、こちらは参加費が八千円(記念品代等込み)とのことで、準備のために事前申し込みが、 メールアドレス  toyo.univ.seiyoushi@gmail.com もしくは FAX 03-3945-7380 までに1月8日締め切りで、必要だとのことです。基本的には学科の主催で、西洋史で担当した卒業生以外には通知をしておらず、それ以外には年賀状のやり取りのある人はそれに添え書きでもして、と考えていたのですが欠礼ということになりましたので、ここにデータを記しておきます。
 ということなのですが、今年の授業は非常勤を含めて昨日で終わり、いろいろの原稿の片づけということで、さっそく11月のチャーティスト運動についての講演のまとめの下書きをほぼ片付けました。講演用のメモがあったので、それをもとに一気に書きました。研究史の全体を俯瞰したので、問題は多岐にわたっていますが、結論的に書いたことの一つは、現在話題になっている立憲主義と民主主義の問題。これに関しては、Gurney (2014)の議論をまとめにもってきました。この論文は、democratic discourse と constitutional idiom からチャーティスト運動理解を整理したもの。タイトルが示しているように、言語論的な議論を踏まえたものです。しかし、内容的には後者に力点をおいたギャレス・ステッドマン・ジョーンズ、マイルズ・テイラー、ジェームズ・ヴァーノンらを批判し、前者の視点からチャーティスト運動を捉えています。
 Gurneyの議論は,当時はネガティヴな意味内容を持っていた、とりわけ支配層は嫌悪していたデモクラシーという言葉をチャーティストがもちいた、かつそれは労働者世界の ritual や symbolism と結びつくかたちで、かつまた自らの組織のプラクティスとしてももちいらていたということの意味を論じてています。つまりチャーティスト運動をデモクラシーというディスコースに媒体とした人々の結合のなかから捉えることをとおして、その表面的イデオロギーが議会改革であったことを根拠にconstitutionalism という枠組みから捉えることを批判するというのが、gurney の論旨です。実はこの後19世紀後半からデモクラシーという言葉がどのようなものとして機能(さらには変容)していくのか、そして20世紀にはそれがどうであったのか、という大変に重要な問題があるわけで、その点を踏まえた(Gurney もまたそのことを議論しています)、きわめてアクチュアルな問題意識に支えられた議論です。
 もちろんギャレスの議論は、ある意味ではそれ以上にアクチュアルな問題意識に支えられた議論であったと自分は考えています。こうした問題は、なぜ現在立憲主義(民主主義という言葉が中心であった60年安保とは異なって)という言葉が現在もち出されているのかという問題と深くかかわるわけで、興味深いテーマです。 
by pastandhistories | 2015-12-25 06:55 | Trackback | Comments(0)

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