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practicality of historical past

 ブラジルでのINTHはいい経験でした。英語にくわえて、フランス語、スペイン語、もちろんポルトガル語、さらには様々なグロービッシュが飛び交うということで、ヴァライアティが豊富〈しかし、そうした言葉の問題は、パソコンをとおしてスクリーンに英語を映すことによって、現在ではだいぶ解決されています)。そうした言葉の多様さは当然思考の多様さに反映されるということで、本当に参考になりました。随分昔のことですが、当時ヨーロッパ史研究者でもっとも期待をされていたある人が〈名前はここで挙げませんが)中南米に行って本を書いた、その当時は随分と唐突な印象を受けたけど、今考えなおしてみると、彼の問題意識は時代にかなり先んじていたのだなという気がしますs
 帰国後は新しく知り合った〈中南米の)研究者に自分の書いた英文の文章をメールで送ったら、お礼の返事が来て、その中には加藤周一さんのものが面白かったので、自分のも読んでくれると書いてありました。加藤周一さんはポルトガル語で翻訳が出ているとのことです。
 すでに紹介しましたが、会そのもののメインテーマがThe Practical Past ということだったので、Historical Past との関わりや、ヘイドン・ホワイトの議論が随分と話題になりました。この件に関して、セッションでも〈最後の総括的な会議でもほんの少し発言しましたが)、自分が主張したことは、ホワイトの議論は Practicality of Historical Past への批判を含意しているのではということです。つまり学問的歴史の実用性。それは近代国家のナショナリズムを補完し、国民統合に必要なヒエラルヒーの形成に役立ったということです。そうしたものを解体〈脱構築)していくために、ホワイトは逆説的なかたちで歴史に対する相対主義的なアプローチを主張したと自分は考えています。一見ナショナルヒストリーに対立しているかに見えるグローバルヒストリーも、そうしたヒエラルヒーを支えるものであってはならないということが、学問的装いをもって登場し始めたグローバルヒストリーのあり方に自分が批判的な理由です。
 そのグローバルヒストリーについては、ここでも少し予告してありますが、10月7日、8日にはドミニク・ザクセンマイヤーに来てもらってグローバルヒストリーについてのワークショップをします。くわえて中国と日本から代表的な研究者が来てくれます。連日メールで連絡をして最後の詰めの作業をしていますが、9月中旬にはポスター発送ができると思います。
 また続いては、これも予告したことがありますが、ヘイドン・ホワイトについてのセミナーの企画も立てています。おそらく11月にヘイドン・ホワイトの最新の論文がある雑誌に翻訳紹介され、またそれにつづいて順次海外でも国内でも彼の仕事への評価や紹介が進んでいくと思うので、それに合わせて12月頃に会を開けたらということで準備を始めました。
by pastandhistories | 2016-09-05 10:49 | Trackback | Comments(0)

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