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エピソード

 今日の朝日新聞の書評欄は一番目目立つところにか柄谷行人さんによる『メタヒストリー』の書評。びっくりしました。話題になりすぎている感、なきにしもあらずという感じですが、ネットでも書評者が妥当か、あるいはその内容が妥当かということで早速コメントがあるようです。今日はこのことについて一言だけ。
 ヘンドン・ホワイトが日本に来る前に、ホワイトに日本人の思想家・歴史家で誰が知っている人物はあるか、また著作を読んだことがあるか、聞いたことがあります。その時、一人だけ名前を挙げたのが柄谷行人さんです。どうしてかと聞いたらスタンフォードに来たからだと言っていました。本も読んだことがあるということで、褒めていました。
 以前書いたことがありますが、その後日本に来る準備として英語で読める色々な人のものを読んだようですが、ホワイトが自分に対し最初に名前を出した日本人は柄谷行人さんです。、

by pastandhistories | 2017-11-12 20:09 | Trackback | Comments(0)

短期主義への批判

 『メタヒストリー』『実用的な過去』という初期の著作と最新の著作が相次いで訳出されたことでヘイドン・ホワイトへの関心が高まっている感じです。ネットを見ても随分と反響があるようです。歴史研究者によるものだけではないという感じもしますが、ホワイトの議論の意味を歴史の立場から考えてほしいということで、このブログでもいろいろと紹介してきた立場からすると、時代が多少は変化しているのかなという感じもします。
 しかし、自分としてはやや意外なのは、ほぼ時期を同じくして訳出されたデヴィッド・アーミテイジとジョー・グルディの『これが歴史だ』への反響が意外なほど小さいことです。ホワイトの訳出本に比較すると安価だし、内容を読みやすい。なんといっても海外では歴史研究者の間では、その出版形態もあって大きな反響を呼んだ本なわけですから、もう少し大きな反応があってもよいはずです。
 内容はきわめてシンプルに短期主義への批判。研究対象をきわめて限られた時間と場に限定した詳細な実証に歴史が陥っていることへの批判です。歴史に特有な長期的なパースペクティヴを生かした歴史研究を行うべきだし、コンピューターの発展によってビッグデータの利用が可能になった現在こそ(あるいは今後は)そうした方向性に歴史研究は向かうべきだという主張です。そのことが歴史の社会的有用性を取戻し、人々の関心を呼び寄せるものになるはずだということです。念のために捕捉すると、こうした主張をしているからといって、実証的な研究やミクロ的な歴史をそれ自体として否定しているわけでありません。
 先日文化功労者に高名な歴史研究者が選ばれました。自分でもさすがに驚いたのは、この人物は昨年か一昨年かに刊行された本の中で、「筆者自身以外は誰も読まないような論文」が大量に生み出されていると書いていました。他の歴史研究者はこんなことを書かれて悔しくないのでしょうか。といっても、この批判に反論できる歴史研究者はどれくらいいるのでしょうか。
 そうした問題を考えるためにも、この本は歴史研究者の間でもう少し話題になってもよいような気がします。よい解説的な紹介が出るという話もあるので、それを期待しています。


by pastandhistories | 2017-11-05 21:08 | Trackback | Comments(0)

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